Monday, October 1, 2012

IPS半日研修会 (栃木県佐野市) 通信

 Intentional Peer Support (IPS) 研修会 in 栃木というわけで、2012年7月10日(火)に半日研修会が栃木県佐野市で行われました。

 この研修会の後援をされた「社会福祉法人ブローニュの森」さんの発行する通信にIPS研修の感想が掲載されました。

 このブログへの転載のご許可を久野恵理さん経由でいただきましたので、ニューズレターの内容をこちらに転載させていただきます!皆様どうもありがとうございます。
 いいなー。行きたかったなー。


ピアサポートセンター ピアルクラブ SANO
不定期通信
 第4号」
より


インテンショナルピアサポート(IPS)研修

  7/10(火)に佐野の城北公民館において、インテンショナル・ピア・サポート(IPS)の半日研修がありました。佐野では初めての試みでしたが、20名を大幅に超える方達が集まりました。大いに盛り上がりました。
  今回はIPS特集とさせていただきます。

( ピアルクラブSANO 廣田真一 )
  実は僕はインテンショナル・ピアサポートの存在を知っていた。昨年、市川でのWRAP集中クラスの帰りに“冊子”を頂いていたのです。読んだけど、正直良く分かりませんでした。6月ごろ、7月に佐野でIPSの研修をやる構想が浮上。ぜひともやって欲しいと思った。その後、候補日が7月2日か10日に、廣田大ピ~ンチ!なぜなら7月2日・3日で愛知県に行く事が決まっていたからです。7月10日になることを祈る・・・念願叶い7月10日に決定!ひょんな事から講師の久野恵理さんとメールのやりとりをすることに。久野さんとは昨年の松本でのWRAPファシリテーター養成研修でお世話になっていました。事前に久野さんから“アジェンダ”が送られてきたりしました。佐野のほうでも準備が進み、当日はピアルとスタッフで会場設営&受け付け、施設長と僕で講師対応。僕が講師紹介もすることになりました。僕が名古屋に向かっている時に、WRAPでお友達になった“クロコさん”から参加したいとピアルのパソコンにメールがあったよと施設長から携帯にメール。久々にお会い出来るとうれしく思う。準備万端でいよいよ当日。時間に堀米駅で待つ、久野さん・荒木さん・小林さん・クロコさん到着。本部に案内し、ブローニュの森のお弁当を食べながら打ち合わせ。施設長がブローニュの森の説明をすると皆感心。いよいよ会場へ。施設長のあいさつから始まり、いよいよ僕の出番、「コーヒーにミルクを入れてマイルドだろ!」と、久野さん以外は大爆笑?続いて「久野さん以外でIPS知ってる人?」って問いかけたら誰もいず。自分でスマホ調べたら「ips⇒再生医療、IPS精神保健⇒個別就労支援、IPS精神保健ピアサポート⇒インテンショナル・ピアサポート」とやっとでました。本題に戻ります。

 久野さんの紹介「○久野恵理氏:IPSファシリテーター。これまでアメリカのペンシルバニア大学およびインディアナ大学において、精神保健システムに関する研究に携わってきた。現在は、WRAPをはじめ精神的なつらさの経験を持つ人々により考案された資源の紹介普及、実践活動に力を注いでいる。WRAPのアドバンスレベル、ファシリテーター。○久野さんとの出会い&印象:まず始めに、久野さんの存在を知ったのはWRAPの“赤本”を読んだときです。相当なキャリアウーマンなのじゃないかと、勝手に思っていました。市川での集中クラスをへ、ここにいらっしゃる小林さんがファシリテーターの1人でした。無事に9月のWRAPファシリテーター養成研修に当選し、松本へ向かいました。久野さんの第一印象は普通の方。でもとても聡明な感じがしました。接してみるととても優しく、それでいてもの凄いオーラがありました。研修中挫けそうになったとき、何度、久野さんの笑顔に癒されたことかわかりません。僕の発言の久野さんの聞き間違い「すきっぱらにビール(笑)」は、今でも覚えていますよ。松本ではありがとうございました。今日はとても楽しみにしています。よろしくお願いします。」

 いよいよ研修スタートです。自己紹介と『居心地の悪さ』を迎え入れるための合意から始まりました。自分はトイレが近いことをつたえました。IPSでは、役割に縛られない、違った関わりの在り方を目指しているそうです。お互いのストーリーが開かれていくようなスペースを作る。お互いの成長と進化を促す環境・スペースを作る。お互いのストーリーが開かれ、より豊かで重層的な理解に向かう会話。どちらもが大切にされ、どちらもが責任を担う関係性。可能性が開かれ、エネルギーが生じるような会話。終始積極的に研修に参加できたように思う。我がピアルクラブの事務局員たちも積極的に発言していた。自分もずうずうしくも2回もロールプレイに参加してしまった。4時間と長くとても疲れたけど、もの凄く充実した研修でした。とぉっても楽しかったです。打ち上げも楽しかったなぁ(笑)。久野さん、荒木さん、小林さん、クロコさん、本当にありがとうございました。ぜひ、集中研修やりましょう!できれば合宿で!ねっ施設長の海発さん!
( ピアルクラブ 事務局 田村正彦 )
  まず、自分は久野先生に詫びたい気持ちです。自分の体調管理がきちんとできていなかったために悪いコンディションで研修に臨んでしまいました。本当に残念です。久野先生は全然気取ったところがなく、フレンドリーな感じの方でした。研修は終始和やかな感じで進み、自分の緊張はすこしずつほぐれていったような気がします。今回の研修は小グループでの話し合いに重点が置かれていた感じがしました。やはりピアサポートを実践していく中では、自分の考えだけにとらわれずに色々な人の考え方を知る必要があるのでしょうか?それとグループで話し合っているときにそれとは気付かずに自己弁護に陥っている自分の発言に対して先生から『それは言い訳ですか?』と指摘を頂いて考えの浅さに気付かされました。研修が進むにつれて体調がつらくなっていったのは本当に残念です。あ!!これが言い訳ですね。でも一つ感じたことがあります。それはピアサポートを実践していく中で『共有して分かち合うこと』が大切なのかな?という事です。サポートの受け手と提供する側が同じ目線で考えてより良いサポートに結び付けていくことなのでしょうか?これから様々な場面に遭遇することになっていくと思いますが、今回感じたことが少しでも生かせればと思います。参加できてよかったと思います。ありがとうございました。
( ピアルクラブ 渡辺真江 )
  今回は休憩を1回(15分)はさんで、13時から17時までの約4時間の研修だった。もっと長時間の研修もあるそうで、そちらにも強い関心があった。要するに“足りなかった”のである。だのに何だか満足している自分も居たりする。見事に“ハマった”研修だった。“思い込み”や“役割”をとっぱらって、ニュートラルでいて或る意味無垢な状態で会話に臨むことの有意義さを認識した。“IPS”これってフツーの人間関係にも活かせること!!が・・・むっつかし~!でも身に付けたい~!!ううう~(*_* 今の自分に足りないもの、欠けているものが浮き彫りになった。真只中にいつつ客観的に自分を見つめる・見つめ直す良き機会となった.全身で吸収したかった為、丸4時間脳味噌フル回転状態!プシュー(@_@;)でも、こんなに素晴らしい研修にめぐり会えてウルトララッキー(^_-)-☆神様・久野様・皆様ありがとう!!!この“IPS”を知らない人って沢山居ると思う。勿体無いことである。純粋に“目の前にいる人間に関心を持つ”ってできる人どの位いるかな?とも思った。他人に興味を無くしつつあり、また肩書きを背負って&貼り付けて生きている時代。そんな御時世に警鐘をならしつつ、“こんなイイ他人との付き合い方あるよ~”って優しくお茶なぞ出されたような、ほっこりした研修だった。これからは、私自身がお茶を出せるようになりたいものである。
( ピアルクラブ 藤原貴尚 )
  今回の研修を受けるにあたって、私はかなり緊張していました。こだわりの強い自分にとって、果たして勉強したことがすんなり入っていくのか?それともピアルクラブに関わってからずっとこのまま自分の力では何もできない、変わらなきゃいろんなことを学ばなきゃと思いながら、何か気持ちが盛り上がらない、でも無理にやる気を出すのも違う気がして・・・なんとなく流されるまま今まで来てしまっていたんですよね。そんな自分に対する後ろめたさもあり、今回の研修はいつもみたいに前に出ず、聴くことに徹して、すべてを吸収してやるぐらいの気持ちで、気負ってました。そして当然のように、集中しようとすればするほど、何も頭に入って行かず(笑)休憩時間には、頓服を飲むぐらい、調子が悪くなってしまいました。正直もう頭も回らないし適当でいいやと、開き直り、いつもどおり、シンプルに考えようと思ったとき、今回の研修の意図が少し理解できた気がしました。たぶん必要なのは、こだわりや、思い込みを取り払って、ありのままの自分を返して上げることなのかと。今までのいろいろな経験の中で、出来上がってしまった、感情の癖に、こころに焦点をあてることが、大切なのではないでしょうか?そう思うと今の自分でもいいのかもしれない。これからも気持ちに逆らってまでがんばろうとせず、素直に周りのこころにアンテナを立てていけば、それはきっと自然体でなければ出来ないことですもんね。なんて変なところで納得しちゃいました。そんな訳で、色々とこころの葛藤はありましたが、この研修は私にとって、とてもプラスになりました。ありがとうございました。
IPSに参加して
( 社会福祉法人ブローニュの森 海発規夫 )
  今回佐野でIPSの研修会を開催出来た事は、とてもラッキーだった様に思う。参加するまで、いまいちイメージが持てず県内(関係機関)への周知もネクストの荒木さんのパンフレットを頼りに配布したが、説得力にかけていたかも????
 研修会に参加しておぼろげながら感じる事は、自分達がやってきた事を体系化された様に感じた。懐かしくも感じ嬉しくもあった。法人の活動理念の基礎にあるものと通じる思いもした。僕の中のキーワード「開かれて行く関係」ここに携わる全ての人と共有して行けたら・・・施設管理者としては職員研修にも活用して行きたいと思えた。
 このIPSの研修会を通して久野さんやネクストの荒木さんや小林さんと知り合えた事も僕らにとっては、とてもラッキーだった様に思う。今後とも宜しくです。

講師久野さんを含めゲストの意見・感想です!!!

  IPS 意図的なピアサポート研修 in 栃木に、東京より参加させていただいた、クロコと申します。私は自分の書く文章はつまらないだろうと、すぐに思ってしまうタチなので、おしんさんから感想を書いてと言われた時には、すごく嬉しかったです。
 私は今まで意図的なピアサポートの研修に何度か出たことがあったのですが、こんなに手放しでおもしろい!!!と思ったのは初めてでした。こんなに楽しく学んでいくことができて、みんなで前に進んでいる感じを味わえるんだ!!!というのは驚きでした。今までは楽しいとは思いながらも同時に、過去に精神保健福祉士として働いていた頃の自分の言動が、あまりにもひどかった・・・と悔やみ始めてしまい、楽しいけれど自分の過去を一つ一つ指摘され続けているような、常にナイフを突き付けられているような怖い感覚もあったのですが、それ自体、過去に縛られていたんだな~と。

 過去に言いたくても言えなかった苦しみまで、いつの間にかしゃべっていたのも、自分で驚きだったのですけど、話しながらも過去に留まっていなくて「うわ~難しいな」「いや~でもおもしろいね」と、キラキラとした感じで、大切なことにみんなで挑戦しようとして前に進んでいる感じもして、そういう雰囲気の場所に居られたのが、すごく心地よかったです。

 ハコの中にいた時には、支援する人される人という枠を不自由に感じたり、寂しく感じたりしていて、足を洗ってからは精神保健福祉士の仕事になんか二度と戻るもんかと思っていたのですけど、こんな風に率直にみんなで話しあえる機会を持っていけるんだったら、また戻るのもありかなと、そんなことをふと思った自分にも驚きでした。

 たくさんの楽しい驚きがあった1日で、おしんさんとの約1年ぶりの再会も嬉しかったです。ありがとうございました。また、みなさんとお会いできるのを楽しみにしてます。
( クロコ )
IPSワークショップの感想
( 久野恵理 )
  会場に入ると、机なしの椅子だけで大きな円が囲まれていた。緊張しつつも、その輪の一つの椅子に座ると、なにか不思議と楽しげな気分になっていた。はじめてお会いする方とも、いきなり冗談が言えそうな感じ。その感覚はワークショップが進むにつれて増長され、私はいつにもまして、おもしろがりになっていた。本音が言える、思ったことを口にできる、心を許せる雰囲気。ここにはそういう文化があるのかもしれないと感じた。

 ワークショップでは、はじめから、活発なやり取りが繰り広げられていたのだけれど、中でも、特に印象に残っているのは、架空の、とあるセンターのスタッフと、そこに見学に来た人の会話という設定での演習だった。「私は人と話すのが苦手だから、ここはちょっと安心できないかも」という見学者の発言に対して、スタッフが「大丈夫ですよ。」と励まして、その人にセンターに来てもらうように説得しはじめる、というシナリオ。それを読んで、感想を出し合ったとき、「このスタッフは、見学者のことを全く受け止めてない。」というような発言が続き、じゃあ、自分だったら、どんなふうに言うだろうかをロールプレイで試してみた。そうしたら、「あれ?同じようなこと言っちゃうね。」ということが判明した。相手の人をとやかくしたくなる気持ちを脇に置くのは難しい。

 そして、もし見学者のほうが「安心できないかも」という気持ちを、スタッフに違ったふうに伝えたらどうなるか、つまり例えば、「自分がどうしていたらよいのか、わからないという状況が苦手なので、こういう場に来ると不安になりそうだとおもいました。xxさんは、そういうことないですか?」と言ったら会話はどう展開するだろうかを話し合った。こういう発言をするのはとても勇気がいるだろうという意見に、なるほどそうだと強く同感。でも、それができたらスタッフの応答は全く違ったものになるだろう。
 架空の設定とはいえ、そのやりとりを体験して、相互的な関係はどちらの側からも始めることができるのだと実感した。でも、率直に自分の思いを伝えるとき、はじめに切り出すほうが、よりリスクを負うかもしれない。先に「好き」と告白するほうがリスクを負うのと同じようなものかも。自分は生身なのに、相手は鎧を着たままというような居心地の悪さだったり。このシナリオで、こんなに楽しい展開になるとは予想していなかった。ロールプレイで試してみる楽しさを味わった。自分の反応を偽らず、それを口にだすことをはばからない、率直なやりとりはおもしろい。

 このワークショップには、いろいろな立場の人たちが参加していて、しかし役割からの発言ではなく、それぞれの立ち位置からみえること、感じることを素の自分として差し出す会話が交わされていたようだった。ここには本音が話せる関係性がありそうだという、はじめの印象は確かだったようだ。もっともっと、話していたかったです。また、お会いできることを楽しみにしています。今後とも、よろしくお願いいたします。
IPS研修を受けて
  ブローニュの森には関係性に対する意識が、IPS研修する前から根付いている様に感じました。そして、なんだか羨ましい気持ちにもなり、とても魅力的に感じました。どうしたら、そんな地域が出来るのか皆さんから色々と説明してもらいましたが、やっぱり不思議です。IPSや福祉の事はよくわかりませんが「あたりまえ」を皆が望んでいるのではないかと感じました。
( 荒木 )
( こば(小林園子) )
  ありがとうございました!一緒に行かせてもらって本当によかった!というのが、まず最初の感想です。1回お会いしたかどうかの方々も、なぜか古くからの顔見知りのような安心感。この土地の文化なのでしょうか?暖かく、かといってわざとらしい感じも全くなくて、とても、居心地の良い空間でした。IPSが目指すのは、単なるピアサポートというだけでなく、人として繋がることや、自分が自分のままでいられる空間づくり、とでも言いましょうか。佐野らしいあり方で、IPSはこれからもきっと受け入れられ、根付いていくのだろうなと感じました。今回のIPS研修の開催にご尽力いただいた皆様、本当にありがとうございました。まだお会いしていない方にも、これからぜひお目にかかれることを楽しみにしています!

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