意図的なピアサポートに関連した研究が世界でいろいろなされているので、それらについて気付いたときにメモしておきたいと思います。
Dalgin, R.S., Dalgin, M.H. & Metzger, S.J. Community Ment Health J (2017). A longitudinal analysis of the influence of a peer run warm line phone service on psychiatric recovery. https://doi.org/10.1007/s10597-017-0161-4
この論文ではwarm line 電話相談について扱っているのですが、このwarm lineで、意図的なピアサポートを提供しています。
"This program decided to focus their warm line on providing intentional peer support throughout the recovery process."
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Thursday, August 31, 2017
Thursday, May 31, 2012
ピアサポートに関するレビュー論文
精神健康に困難を有する人のピアサポートに関するこれまでの研究を集めてまとめた文献レビューが雑誌(Clinical Practice & Epidemiology in Mental health)に掲載されました。
うれしいです~。
このレビューは、Intentional Peer Support (IPS)についてのレビューではありませんが、ピアサポートとはそもそもなんだろう?どんないいことがあると言われているのか?ピアサポートにまつわる困難なことがあるとすればそれはなんだろう?ということを知りたくて行った研究です。
ピアサポートと一口に言っても、自助グループ(セルフヘルプグループ)などの中で互いのサポートとなり合うこともピアサポートと呼ばれていますし、サービスを提供する機関に、サービスを利用する人と同じ経験を有する人が「ピア」として雇用され、サービスを提供することもピアサポートと呼ばれています。
そのような、ピアサポートの分類ごとに、どのようなことがこれまでの研究から言われているかをまとめたのがこの論文です。
誰でもここ↓で全文が読めるようになっています。pdfでダウンロードもできます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3343315/
抄録は以下の通りです。
これを共著者の園さんが関西弁で訳してくれました(園さんのfacebookのページ内)。
このレビューは、Intentional Peer Support (IPS)についてのレビューではありませんが、ピアサポートとはそもそもなんだろう?どんないいことがあると言われているのか?ピアサポートにまつわる困難なことがあるとすればそれはなんだろう?ということを知りたくて行った研究です。
ピアサポートと一口に言っても、自助グループ(セルフヘルプグループ)などの中で互いのサポートとなり合うこともピアサポートと呼ばれていますし、サービスを提供する機関に、サービスを利用する人と同じ経験を有する人が「ピア」として雇用され、サービスを提供することもピアサポートと呼ばれています。
そのような、ピアサポートの分類ごとに、どのようなことがこれまでの研究から言われているかをまとめたのがこの論文です。
誰でもここ↓で全文が読めるようになっています。pdfでダウンロードもできます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3343315/
抄録は以下の通りです。
We conducted a comprehensive narrative review and used a systematic search strategy to identify studies related to peer support among adults with mental health difficulties. The purposes of this review were to describe the principles, effects and benefits of peer support documented in the published literature, to discuss challenging aspects of peer support and to investigate lessons from peer support. Fifty-one studies, including 8 review articles and 19 qualitative studies, met the inclusion criteria for this review. Most of the challenges for peer support were related to “role” and “relationship” issues; that is, how peer support providers relate to people who receive peer support and how peer support providers are treated in the system. The knowledge gained from peer support relationships, such as mutual responsibility and interdependence, might be a clue toward redefining the helper-helper relationship as well as the concepts of help and support.
これを共著者の園さんが関西弁で訳してくれました(園さんのfacebookのページ内)。
馴れ馴れしい関西弁でいうと、また、この論文について、園さんがご自身の会社(株式会社シロシベ)のブログでもご紹介くださっているので、そちらも合わせてご覧くださいませ。
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ピアサポートに関する論文を読んでん。したら、めっちゃいろんな形があって、ええこと、むつかしいこと、いろいろあんねん。ええことは、提供する側、される側、近くで見てる人、それぞれにいろいろあって、QOL向上やら入院減少やら、ロールモデルが得られる(になれる)、気持ちを理解してもらえる、信頼できる、偏見を減らす、いろいろや。で、むつかしいことなんやけど、役割があいまいで、友達関係と契約関係の間で葛藤があって、報酬は十分ちゃうし、とかな。ほんで、どうしたらもっと良うなるか、課題を克服できるか、考えてはる人がぎょうさんいて、例えばやな、相互に責任を持つ関係とか、敬意を持ったコミュニケーションとか、安心できることとか、柔軟であることとか、言うてはるわけ。ほんで、これって、ピアサポートに限らず、医療者と利用者の関係全般とか、もっと広く人と人の関係全般にも当てはまる大事なことやん?援助者-被援助者関係とか、そもそも援助とか支援とか、そういうのを考え直す上で、ピアサポートから得られる関係性に関する学び、重要なカギになるかもしれへんと思わへん?思うやろ?せやろ?
・・・でしょうか。
Yuki Miyamoto, Tamaki Sono
Lessons from Peer Support Among Individuals with Mental Health Difficulties: A Review of the Literature
Clin Pract Epidemiol Ment Health. 2012; 8: 22–29. Published online 2012 April 16.
doi: 10.2174/1745017901208010022
Lessons from Peer Support Among Individuals with Mental Health Difficulties: A Review of the Literature
Clin Pract Epidemiol Ment Health. 2012; 8: 22–29. Published online 2012 April 16.
doi: 10.2174/1745017901208010022
- PMCID:
- PMC3343315
Tuesday, January 10, 2012
ピアサポート関連論文紹介 Chinman 2001
Chinman MJ, Weingarten R, Stayner D, Davidson L.
Chronicity reconsidered: Improving person-environment fit through a consumer-run service.
Community Mental Health Journal, 37 (3), 2001.
(Matthew J. Chinman, Richard Weingarten, David Stayner, Larry Davidson.)
「Chronic(慢性の)」という概念を再考しよう、というこの論文は、
この論文では、“chronicity”を、人と環境がうまく合っていないことによるものだ、つまり、精神科疾患を有する人の多面的で複雑なニードに対して、地域の精神保健システムはそれに対して適切な準備ができていないことによるものであることを考えてはどうかと言っています。
さらにこの論文では、“Welcome Basket Program”という、精神保健の利用者により作られ、スタッフも管理者も皆利用者というピアサポートベースのプログラムについての紹介がなされています。
Welcome Basketという、精神保健の利用者によって運営されているこのプログラムは、まずは入院中の人のところに行って、このプログラムを紹介し、参加したいかを聞き、退院後、その人の家に訪問して食べ物や植物、地域のお店の割引券などを入れたバスケットを届けるのだそうです。さらに、地域の互助グループの紹介などもするとのことです。
さらに詳しいプログラムの説明と、このプログラムの効果に関する予備的な研究結果が示されていますが、この論文では、Welcome Basketと対照群はどちらもその後の入院日数に減少が見られたものの、Welcome Basketを利用した人とそうでない人との有意な違いはなかった、という結果でした。
今後は実際にその利用者達がどのような経験をしているのか(実際にどのような介入で、どのように評価するのが良いのか)を確実にするためにも当事者の人たちにこの研究に協力者として加わってもらう必要があるだろう、参加型アクションリサーチは有用であろう、と言っています。
ここ↑で紹介されているWelcome Basket Programとは、たぶん、Connecticut Mental Health Centerのウェブサイトで紹介されているSocial Integrationのサービスの一つだと思われます。
ピアサポートに関する論文を読んだりしていて、せっかくならこのブログにもメモを残しておこうと考え、論文紹介を時折アップすることにしました。掲載する順に意味はありません。また、特にお勧めのものだけを載せる、というわけでもありません。
(Matthew J. Chinman, Richard Weingarten, David Stayner, Larry Davidson.)
「Chronic(慢性の)」という概念を再考しよう、というこの論文は、
過去には、“Chronic(慢性の)”という言葉は重い精神疾患を有し、州立の精神科病院で長期にわたるケアを受けているような人々を指すのに使われていた。そしてこの言葉には、こういった人々は良くなることはなく、長期に保護的なケアを必要とするという考え方が含まれていた。しかしながら、世界の様々な場所で行われた研究により、このような疾患を有する人達の多くが時間とともに良くなるということが証明されてきている。そしてもっと最近の研究により、このような人々は入院よりも地域での暮らしを選ぶこと、その殆どの人は適度に適応して暮らしていくことができること、そして症状が残っていたとしても、豊かで充実した人生を送っていくことができることが示唆されている。このようなエビデンスがあることもあり、そして精神保健の当事者達にとってこの言葉は屈辱的であると捉えられたこともあり、“chronicity(慢性化)”というような言い方はあまり好かれなくなってきている。(Chinman, 2001. p.216 line 1-20)というような緒言ではじまっています。
この論文では、“chronicity”を、人と環境がうまく合っていないことによるものだ、つまり、精神科疾患を有する人の多面的で複雑なニードに対して、地域の精神保健システムはそれに対して適切な準備ができていないことによるものであることを考えてはどうかと言っています。
さらにこの論文では、“Welcome Basket Program”という、精神保健の利用者により作られ、スタッフも管理者も皆利用者というピアサポートベースのプログラムについての紹介がなされています。
Welcome Basketという、精神保健の利用者によって運営されているこのプログラムは、まずは入院中の人のところに行って、このプログラムを紹介し、参加したいかを聞き、退院後、その人の家に訪問して食べ物や植物、地域のお店の割引券などを入れたバスケットを届けるのだそうです。さらに、地域の互助グループの紹介などもするとのことです。
さらに詳しいプログラムの説明と、このプログラムの効果に関する予備的な研究結果が示されていますが、この論文では、Welcome Basketと対照群はどちらもその後の入院日数に減少が見られたものの、Welcome Basketを利用した人とそうでない人との有意な違いはなかった、という結果でした。
今後は実際にその利用者達がどのような経験をしているのか(実際にどのような介入で、どのように評価するのが良いのか)を確実にするためにも当事者の人たちにこの研究に協力者として加わってもらう必要があるだろう、参加型アクションリサーチは有用であろう、と言っています。
ここ↑で紹介されているWelcome Basket Programとは、たぶん、Connecticut Mental Health Centerのウェブサイトで紹介されているSocial Integrationのサービスの一つだと思われます。
ピアサポートに関する論文を読んだりしていて、せっかくならこのブログにもメモを残しておこうと考え、論文紹介を時折アップすることにしました。掲載する順に意味はありません。また、特にお勧めのものだけを載せる、というわけでもありません。
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