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Sunday, March 10, 2019

札幌でのセルフケアワークショップ(2019/3/8金-9土)のご報告

2019年3月8日(金)-9日(土)に「支援者のためのセルフケア研修」というワークショップが開催されました。このワークショップは、自分の疲れや気持ちに気付いて自分をいたわることに目を向けてみませんか、というもので、意図的なピアサポートの考え方も取り入れられたものです。

この ワークショップは、文部科学省科学研究費補助金の助成「職務ストレスに注目した若年就労支援実践家育成プログラムの開発」(研究代表者:大川浩子)を一部受けて実施されました。

Stephen Pocklington(スティーブン・ポクリントン)さんと参加者の皆さんで
セルフケアとはどのようなものか、難しさにはどのようなことがあるか
自分のケアをするとはどういうことか
自分にとって大事なことはなんなのか
自分にとって重要なことをどのように大切にできるのか
などについて、ゆっくり考えたり共有したりしました。
自分のケアや関係のケア、矢が花に変わることなど、これまでこのようなワークショップで扱ってきた内容ともつながっていることを感じながらのワークショップでした。

この研修の企画やご準備をしてくださった大川さんをはじめ札幌のみなさま、ご参加くださりこの場を作ってくださったみなさま、どうもありがとうございました。

(みなさまのご了承を得て撮影掲載しております)
   

Tuesday, October 31, 2017

矢が花に変わる~札幌2日ワークショップ~(2017/10/14土-15日のご報告)

札幌で矢が花に変わる2日間ワークショップが開催されました。
10月14日(土)~15日(日)の二日間です。

私たちがどのように人と関わるか
どのように自分に対するか
自分の内なる声を聞く時間、静けさに触れる時間をどのように日常の中に入れていくか。

紅葉が美しく、空気も澄んでいました。

みなさま、本当にどうもありがとうございました。
みなさまに心から感謝です。

(みなさまのご了承を得て撮影掲載しております)

Thursday, October 12, 2017

「矢が花に変わる」東京での3日間ワークショップ (2017/10/7土-10/9月のご報告)

2017年10月7日(土)~9日(月祝)に東京で、
矢が花に変わる3日間ワークショップが開催されました。

その時のメモと写真です。(みなさまのご了承を得て撮影掲載しております)

小さな内なる声に耳を傾けられるよう、スペースをひらく。
誰かのスペースを埋めてしまわない。

完全にそこにいる。






Thursday, August 31, 2017

Influence of a Peer Run Warm Line Phone Service

意図的なピアサポートに関連した研究が世界でいろいろなされているので、それらについて気付いたときにメモしておきたいと思います。

Dalgin, R.S., Dalgin, M.H. & Metzger, S.J. Community Ment Health J (2017). A longitudinal analysis of the influence of a peer run warm line phone service on psychiatric recovery. https://doi.org/10.1007/s10597-017-0161-4

この論文ではwarm line 電話相談について扱っているのですが、このwarm lineで、意図的なピアサポートを提供しています。
"This program decided to focus their warm line on providing intentional peer support throughout the recovery process."

Thursday, June 5, 2014

IPS矢花または矢が花に変わるIPS(仮) ~5日間研修in東京 2014年2月 (3)

2014年2月19日(水)~23日(日)に東京で「IPS矢花または矢が花に変わるIPS(仮) ~5日間研修in東京~」が開催されました!((1)(2)の記事からの続きです。)

この研修会に参加された皆様に、IPS研修のご感想やIPSについて感じたことなどについて、ご意見をお聞きしましたのでその結果をご報告いたします。

ご意見募集の方法についてはこの下についているご報告のpdfの中をお読みいただければと思います。募集したご意見は下記の内容についてです。
(1) IPS研修の感想
(2) IPSについて感じたこと
(3) IPSを学んで気付いたこと
(4) IPSを学んでからの自分あるいは関係の変化
(5) 今後どう学び続けるか
(6) また研修に参加したいか
(7) その他

ご意見をいただくときに、この結果はIPSを学ぶと何が起きるのかを知るための研究に反映させること、この研究のための助成を受けている文部科学省科学研究費の報告書やIPSのブログなどにも公開してご報告することをお知らせしました。
また、ご意見をお寄せいただく際に、結果を公開するときに表示して良いお名前(匿名でもなんでも可)をお聞きしました。 なお、今回まとめたご意見は、2014年2月から3月末日までの間にお寄せいただいたご意見です。
ご意見をお寄せくださいました皆様、どうもありがとうございました。ご意見をお寄せいただかなかった方の中にも、どのように表現しようか考えてくださった方もいらっしゃったと思います。今回の企画に関わってくださった全ての皆様に感謝申し上げます。


Wednesday, March 27, 2013

京都でインタビュー

IPS (Intentional Peer Support) 「意図的なピアサポート」を考える取り組みの一環として、研修に参加されたことのある方々にインタビューを行なっています。先日京都でインタビューを行なってきました。

この取り組みでは、IPSを学んで気付いたことを大勢でのグループの話し合いの中でお聞かせいただいたり、3-5人程度のグループで話し合ったり、お一人にだけ聞いたり、といろいろさせていただいているのですが、今も試行錯誤中というか、暗中模索中であります。もっとグイグイーッと沢山インタビューを重ねて、方法を確定してジャジャジャー!ッと分析するとか、そういうのもありなんだろうと思うのですが、現時点ではガンガン行くというよりは、ゆっくり次のお話をお聞きしに行っている感じです。

これまで、インタビューについてブログで紹介したことはなかったのですが、こういう過程も公開していくことにも意味があると感じて、今回インタビューに参加してくださった方々のご許可をいただいて、こちらで紹介させていただきます。

インタビューの概要は、



インタビューはいつも、IPSの勉強会の会場で行わせていただいたり、喫茶店などの飲食店や貸し会議室など、できるだけ話のしやすそうな、さまざまな場所で行っていますが、今回は、京都のカフェの2階にある、この素敵なレンタルルームが見つかったため、こちらで実施させていただきました。このお部屋、京町家の2階にあり、静かで、下のカフェのメニューもいただけるんです。今回は、夕飯時の実施だったため、夕飯も食べちゃったりしながらお話をお聞きしました。



 

 

ご協力いただいたかわさま、さっちゃん、はなちゃん、そのさま、ありがとうございました。
お話をお伺いできたこともとてもうれしくありがたいですし、一緒にお話する中で、IPSについて私自身深まった部分がありました。

今回、どうしてIPSの研修に出ようと思ったのか、IPSの研修会に参加してどのような印象を受けたかなどについてもお聞きする中で、知らなかったストーリーをお聞きして自分の世界がさらにひらかれた気持ちになったり、同じ場にいて共有したことがらについて感じたことを話し合っていたときは、それぞれの見方を互いに出し合っている感じがしたと同時に、忘れていた自分の感情が思い出されたり、その時とはまた別の見方が自分の中で生まれたり、という経験をしました。同じ場にいても、受け取り方も感じ方も違う、そしてそれはまたどんどん変化していく、ということを実感し、他の人に見えているものは聞いてみなければわからないし、それから、たぶん会話をする中でもどんどんそれらは変化していくんだろうな、と感じました。これは、インタビューでもあったわけですが、なんでしょう、自分にとって貴重な時間でした。

皆様にお会いできたこと、インタビューでお会いできたこともそうなのですが、そもそも皆様と出会えたことに改めて感謝した時間でした。どうもありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

Thursday, May 31, 2012

ピアサポートに関するレビュー論文

精神健康に困難を有する人のピアサポートに関するこれまでの研究を集めてまとめた文献レビューが雑誌(Clinical Practice & Epidemiology in Mental health)に掲載されました。 うれしいです~。

このレビューは、Intentional Peer Support (IPS)についてのレビューではありませんが、ピアサポートとはそもそもなんだろう?どんないいことがあると言われているのか?ピアサポートにまつわる困難なことがあるとすればそれはなんだろう?ということを知りたくて行った研究です。

ピアサポートと一口に言っても、自助グループ(セルフヘルプグループ)などの中で互いのサポートとなり合うこともピアサポートと呼ばれていますし、サービスを提供する機関に、サービスを利用する人と同じ経験を有する人が「ピア」として雇用され、サービスを提供することもピアサポートと呼ばれています。

そのような、ピアサポートの分類ごとに、どのようなことがこれまでの研究から言われているかをまとめたのがこの論文です。
誰でもここ↓で全文が読めるようになっています。pdfでダウンロードもできます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3343315/


抄録は以下の通りです。
We conducted a comprehensive narrative review and used a systematic search strategy to identify studies related to peer support among adults with mental health difficulties. The purposes of this review were to describe the principles, effects and benefits of peer support documented in the published literature, to discuss challenging aspects of peer support and to investigate lessons from peer support. Fifty-one studies, including 8 review articles and 19 qualitative studies, met the inclusion criteria for this review. Most of the challenges for peer support were related to “role” and “relationship” issues; that is, how peer support providers relate to people who receive peer support and how peer support providers are treated in the system. The knowledge gained from peer support relationships, such as mutual responsibility and interdependence, might be a clue toward redefining the helper-helper relationship as well as the concepts of help and support.


これを共著者の園さんが関西弁で訳してくれました(園さんのfacebookのページ内)。
馴れ馴れしい関西弁でいうと、
---
ピアサポートに関する論文を読んでん。したら、めっちゃいろんな形があって、ええこと、むつかしいこと、いろいろあんねん。ええことは、提供する側、される側、近くで見てる人、それぞれにいろいろあって、QOL向上やら入院減少やら、ロールモデルが得られる(になれる)、気持ちを理解してもらえる、信頼できる、偏見を減らす、いろいろや。で、むつかしいことなんやけど、役割があいまいで、友達関係と契約関係の間で葛藤があって、報酬は十分ちゃうし、とかな。ほんで、どうしたらもっと良うなるか、課題を克服できるか、考えてはる人がぎょうさんいて、例えばやな、相互に責任を持つ関係とか、敬意を持ったコミュニケーションとか、安心できることとか、柔軟であることとか、言うてはるわけ。ほんで、これって、ピアサポートに限らず、医療者と利用者の関係全般とか、もっと広く人と人の関係全般にも当てはまる大事なことやん?援助者-被援助者関係とか、そもそも援助とか支援とか、そういうのを考え直す上で、ピアサポートから得られる関係性に関する学び、重要なカギになるかもしれへんと思わへん?思うやろ?せやろ?
・・・でしょうか。
また、この論文について、園さんがご自身の会社(株式会社シロシベ)のブログでもご紹介くださっているので、そちらも合わせてご覧くださいませ。


Yuki Miyamoto, Tamaki Sono
Lessons from Peer Support Among Individuals with Mental Health Difficulties: A Review of the Literature
Clin Pract Epidemiol Ment Health.  2012; 8: 22–29.  Published online 2012 April 16. 
doi: 10.2174/1745017901208010022

PMCID: 
PMC3343315

Friday, April 27, 2012

質的データ分析法メモ (2)

マデリン M. レイニンガー(Madeleine M. Leininger) 編集, 近藤潤子、伊藤 和弘 (監訳)「看護における質的研究」(原版1985年、日本語版1997年)医学書院. の中(p.75~)で紹介されている分析法メモの続き。

内容分析あるいはテクスト分析 (p.81)
内容分析は、人々の間で伝達されるほとんどすべての物事を分析するのに昔から用いられてきたお馴染みの方法である。・・・中略・・・
構成的テクスト分析は、テクストデータの構造を異なる機能的要素のグループに分類するもので、出来事、人間、過程を類似性をもとにグループに分類できるので、内容分析で広く用いられている。・・・後略・・・

解釈学的データ分析 (p.82)
解釈学的分析とは解釈についての理論である。・・・中略・・・ 解釈学は現象学に由来するものであって、先験的理解を組織化する思考と方法に焦点を当てるものである。・・・後略・・・

民族科学的分析 (p.83)
民族科学的分析は、知識の諸領域の意味論的・構造的関係を判定するために用いられる公式的・外字的・系統的なデータ分析法である。・・・後略・・・

グラウンデッド・セオリー分析
・・・前略・・・ 比較分析という手段によってデータから理論を発見するのが目標である。この方法と人類学的な記述民族学の方法との間には類似点と相違点がある。・・・後略・・・

構成要素分析
構成要素分析は、特定のイーミックな構成要素または概念の意味論的・構造的関係を判定するためや、構成要素から得られる抽象的論述を公式化するために用いられる複雑で厳密な系統的方法である。この方法は単独でも用いられるが、ふつうは民族科学的方法と一緒に用いられる。・・・後略・・・

歴史的分析 (p.84)
この分析法は、研究者のさまざまな目的や目標に応じて過去の縦断的な歴史的データを系統的に探求するものである。時間・空間的な出来事、パターン、および過程を明確化するために、一次データと二次データが外示的・内示的に分析される。・・・後略・・・

生活歴プロフィール分析
この方法は、看護やその他の医療分野では比較的新しい価値のある研究法として、個人、家族、集団の生活歴(ライフヒストリー)を分析し、生活様式、健康、ケアのパターンを評価するのに用いられている。・・・後略・・・

個人の健康研究分析 (p.85)
個人の健康研究分析は、特定の個人が健康、パターン化された病気、その他行き方のスタイルを維持する方式を、長期(あるいは短期)間、異なる(あるいは同じ)環境的コンテクストのなかで研究する方法である。・・・中略・・・
筆者は“事例研究(ケーススタディ)”という用語に代えて“個人の研究”と言う用語を使用している。なぜなら、質的研究の場合には、個人を、対象、事例(ケース)、統計的数字としてではなく、一人の独自な人間存在として扱うからである。間違いなく専門職看護研究者は“事例研究”という用語に馴染んでいるであろうが、今やこの非個人的用語の使用を考え直すべきであり、個人とその健康、病気、ケアのパターンを人間的な方法で分析することを考えるべきである。・・・後略・・・

形態分析
・・・前略・・・ 形態分析は構成要素分析、パターン分析、主題分析と似ているが、この方法のほうが、分析により大きなモル(総体的)単位(molar units)を用い、複雑な文化的主題とパターンを形態もしくはモレキュラー(分子的)デザイン(molecular design)にまとめて、文化、システム、集合的行動などの把握を可能にする。・・・後略・・・

象徴分析 (p.86)
象徴(記号)分析は、さまざまな合図、メッセージ、図像、物象、その他の人間表現の形式を分析する方法である。・・・後略・・・

描画、ゲーム、絵画テスト、遊び、物語、写真データ分析
これらの表現方法は質的データの分析では重要である。これらは、個人や集団の感情、態度、パターン化された表現を記録し、理解するのに用いられる。・・・中略・・・
描画、写真、その他の表現形式は、人々の見方を表しており、したがって質的なタイプの研究データとして分析する必要がある。・・・後略・・・

コンピュータ・データ分析 (p.87)
・・・前略・・・ 量的データの分析にコンピュータの果たす役割は非常にはっきりしているが、それに比べ質的データの分析においてもつ価値は現在のところそれほどはっきりしていない。意味、態度、特性、象徴、監修、その他質的データのもつ多くの側面が失われないようにすることが、コンピュータ学者や質的分析者にとって今後対処しなければならない大きな課題である。論述を数、特定の変数、その他の還元主義的要素に還元することは、質的データの意味と目的の破壊につながりかねない。・・・後略・・・

その他の分析法
・・・前略・・・ そのほかにも次のようなタイプの分析法をぜひ考慮する必要がある。
役割・家族・制度分析
認知地図と世界観
象徴的相互作用分析
比較文化分析
倫理・道徳分析
参加分析
属性分析
生態学的ケア分析
系図(系譜)分析(血族の系図)
物質的・非物質的データ分析
意味論的・記号論的分析
質的分析と量的分析の組み合わせ
健康カレンダーおよび健康日誌分析


ほんとうにたくさんあります。。。今回、これらの解説を読んでいて、意味の分からない言葉もたくさんありました。しかしながら、???と思った部分なども、「個人を、対象、事例(ケース)、統計的数字としてではなく、一人の独自な人間存在として扱う」ということで異なる言い方を提唱していたり(個人の健康研究分析)、その考え方に納得できるところが随所にありました。
この本を持っていたら、「懐かしい本!」と言われまして、原版は1985年、日本語版は1997年と、確かに懐かしいと感じる部分もありましたが、久しぶりに手に取って、あらためて学ぶところもたくさんある本でした。


出典:
M. M. レイニンガー. (黒田裕子訳)記述民族学と民族看護学 質的データ分析のモデルと方式. レイニンガー編, (近藤潤子, 伊藤和弘 監訳) 看護における質的研究. 医学書院, 1997.
原版:Leininger (Ed.), Qualitative research methods in nursing. Grune & Stratton. (1985)

Tuesday, April 17, 2012

質的データ分析法メモ

質的データ分析の方式を勉強中。

 マデリン M. レイニンガー(Madeleine M. Leininger) 編集, 近藤潤子、伊藤 和弘 看護における質的研究」(原版1985年、日本語版1997年)医学書院. の中(p.75~)で紹介されているものの順にほんのちょっとずつメモすると、

記述民族学的データ分析 (p.75)
この分析法の焦点は、主として観察参加を通じて人々から直接得た記述民族学的(イーミック)な文化的データを用いることにある。・・・中略・・・ 記述民族学的データ分析は、文化人類学者や社会人類学者による記述民族学的研究でもっとも成果をあげている。・・・後略・・・

民族看護学的データ分析 (p.76)
民族看護学的分析法は、ケア、健康、病気の予防、病気、その他の看護ケア現象にかかわる特定の看護学的・記述民族学的データの検討に焦点を当てる。・・・後略・・・

現象学的データ分析 (p.77)
現象学的分析法とは、基本的には、データの具体的な構成要素を分析して生活体験の意味、主観的感情、属性、志向性などを探る方法をいう。・・・中略・・・ 現象学的方法は、主観的感情、体験の意味、志向性に関するデータを得るのに有用である。・・・後略・・・

哲学的データ分析
・・・前略・・・ 哲学的分析には、論理的・実存的・認識論的・存在論的な側面が含まれ、また哲学的データ分析にかかわるその他の諸側面が含まれる。哲学的分析では、論理的推論、知識獲得の方式、人間の思考と行為の理由が探求される。・・・後略・・・

構造的・機能的データ分析 (p.78)
・・・前略・・・ 構造的・機能的な方法の目標は、社会現象を分析して社会制度の組織的属性の構造的形態を探ることと、その研究結果をそうした構造が社会においてもつ目的、用途、機能に関連づけることである。・・・後略・・・

主題分析とパターン分析 (p.79)
・・・前略・・・ この方法は、生活または講堂の認知と特定が可能な主題およびパターンの分析に焦点を当てるものである。単独に取り出せば無意味とも見える考えや体験の構成要素ないしは断片を明確化し結び合わせることによって、生のデータが分析される。・・・後略・・・

価値データ分析 (p.80)
主題分析やパターン分析にきわめて近い方法に価値分析がある。しかしながら、価値分析の焦点は、好み、選択、望ましいと見なされる物事または考え、および人間の思考と行為を導く内示的ないし外字的な力にある。・・・後略・・・

内容分析あるいはテクスト分析 (p.81)
内容分析は、人々の間で伝達されるほとんどすべての物事を分析するのに昔から用いられてきたお馴染みの方法である。・・・後略・・・


いっぱいあります。。。以下にまだまだ続きます。。。今日はもうここまでで。。


解釈学的データ分析

民族科学的分析

グラウンデッド・セオリー分析

構成要素分析

歴史的分析

生活歴プロフィール分析

個人の健康研究分析

形態分析

象徴分析

描画、ゲーム、絵画テスト、遊び、物語、写真データ分析

コンピュータ・データ分析


出典:
M. M. レイニンガー. (黒田裕子訳)記述民族学と民族看護学 質的データ分析のモデルと方式. レイニンガー編, (近藤潤子, 伊藤和弘 監訳) 看護における質的研究. 医学書院, 1997.
原版:Leininger (Ed.), Qualitative research methods in nursing. Grune & Stratton. (1985)

Friday, December 2, 2011

医療人類学

医療人類学のメモのさらに続き。

「Biomedicine(バイオメディスン)はメディカルシステム(医学体系)のひとつに過ぎない。」

現在の日本では西洋医学(あるいはバイオメディスン)が科学的なものとして捉えられており、学生の頃は、特に疑うことなくそれが最善のもの、最先端のものとして学んできたけれど、医療について考えさせられている今、医療人類学の講義での上記の言葉に納得しました。
健康や病、身体に対する見方考え方が異なれば医療観も異なると思われます。
これは、文化によっても異なるでしょうし、時代によっても異なるでしょうし、個々人によっても異なると思われます。

科学的とはいったいどういうことなのか、自分が信じているもの、世間が信じているものがいつも誰にとっても最善とは限らないことに気づいていることは大事だと思いました。

Thursday, December 1, 2011

人類学

人類学メモの続きです。

前回の記事を読んでくださった方から、「参加型リサーチというのがあまりよくわからない」とコメントをいただきました。私もまだわかっているとは言い難いです。

ただ、その要素の一つは、関係する人々は、研究の対象ではなくて、研究に参加する人だ、という考え方なのかな、とぼんやりと思っています。

研究に参加する、といっても、いろいろな参加の形があって、 

  • 情報を提供するという形の参加 
  • 情報を提供する人から情報を収集する役割(インタビュアー)としての参加 
  • 情報を提供するグループ(フォーカスグループ)のファシリテーターとしての参加 
  • データ分析や結果の解釈をする際の助言者としての参加
  • 方針を決定する権限を有する者としての参加 

などがあります(Wallerstein & Duran, 2003)。

このため、あるものごと(文化や集団、考え方など)についてさらに深く知るために、そのものごとに関係している人に参加してもらう、と言っても、いろいろな参加の度合いがあり、参加型リサーチもいろいろな形となるのだろうと思っています。

また、前回の記事を読んでくださった別の方から、
「支援者と非支援者の間で真のパートナーシップは生じ得るのか、
なんてことを話しあっているコミュニティと研究者の間で、
真のパートナーシップは生じ得るのか? という議論、
人類学とIPS似てますね」とコメントいただきました。

私もそう思っていたところです! 


人類学の中に、Linguisic Anthropology というものがあり(言語人類学と言うのでしょうか)、ここでは、例えば関心を持っている文化や考え方、世界観について知る際に、通訳・翻訳に頼るのではなく、そこで使われている言葉を知ることを重視している、と私は理解しました。

言葉というのは、そこで大事にされているものごとが現れていると思います。
大事である、あるいは意味があると思うから話したりコミュニケートしようと思うわけで、そう思う人々の間には、それを指し示す言葉が存在しやすいのではないかと思います。それらの言葉を知ることで、その人たちが大事にしていることにも近づきやすくなるのではないかと思いました。 

人類学のはとても深くて幅広いものなのだろうと思いますが、ものごとの背景あるいは文脈を知る、人々の考え方や世界観を知る、など、IPSのことを思い出さずにいられないキーワードがたくさんありました。

Wallerstein, N. Duran, B. The conceptual, historical and practice roots of community based participatory  research and related participatory traditions. In  Community Based Participatory Research for Health. Minkler, M. Wallterstein N. eds, CA: Jossey-bass, 2003, pp. 27-52.

Friday, November 25, 2011

参加型リサーチ

医療人類学(Medical anthropology)についての講義に参加する機会がありました。本当にいろいろな学びがあり、また、もやもやと思っていたことが整理された部分もあり、このような機会と、関係する皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

学んだことは多々ありつつも、まずは、参加型リサーチ(Participatory Research)について。

参加型リサーチにおいて、コミュニティ(ここでは研究対象となるコミュニティ)と研究者の間で、真のパートナーシップ(genuine partnership)は生じ得るのか?という議論がされているそうです。真の対等な関係は可能だと考える人もいれば、真のパートナーシップを築くために、研究者は研究機関の職を辞してそのコミュニティに入れ、という主張もあるのだそうです。

いずれにせよ、どのような関係にも、力の関係(Power relations)はあるということは大前提となっています。

どのようなコミュニティなのかにもよるのだろうとは思いますが、私自身は、真のパートナーシップを築くことは簡単ではないと思っています。このため、職を辞してそのコミュニティに飛び込む人がいることも不思議ではないと感じます。ですが、職を辞すというよりは、研究者という職業についていること、そこに付随するパワーを意識しながらコミュニティに参加していく、ということが今の自分がしたいと思っている形なのかな、と考えていました。

また、比較的最近の考え方として、Reflexive anthropology(再帰的人類学?)といって、研究者がその研究の中での自身の立場やパワーについて考える、ということの重要性についても教わりました。

研究者とコミュニティとの関係だけでなく、どのような関係にも、パワーは存在すると思います。
それらの関係の中で、パワーを全くないものにすることはとても難しいことだと思いますが、そのパワーの存在を認識したり、パワーが生じている背景にはどのようなことがあるのかを考えたり、そのパワーについて話し合ったりすることはとても重要なことだと感じています。



以下、コミュニティの参加型リサーチ(Community Based Participatory Research: CBPR)に関するメモ。

コミュニティの参加型リサーチには、次の二つの伝統があるそうです。
  • 社会のシステムを向上させる (Improvement of social system)という流れ<Northern traditionとも呼ばれる>
  • 解放する(Emancipation)という流れ<Southern traditionとも呼ばれる>

このSouthern traditionに関連して、ブラジルの哲学者、Paulo Freireパウロ・フレイレ)の名前は覚えておくと良いとのことでした。


テキスト:
Wallerstein, N. Duran, B. The conceptual, historical and practice roots of community based participatory  research and related participatory traditions. In  Community Based Participatory Research for Health. Minkler, M. Wallterstein N. eds, CA: Jossey-bass, 2003, pp. 27-52.

Wednesday, October 12, 2011

IPSをもっと知るための取り組みで目指すこと

目指すもの
あらゆる人がそれぞれにユニークな(かけがえのない)価値を持つことに気づき、
互いに尊重し合う関係があふれる世の中にする。

そのために行うこと
A. ユニークな価値に気づき、尊重し合える関係を、体験する。
B. ユニークな価値とは何なのか、互いに尊重し合う関係とは何なのか、知る。
C. ユニークな価値と尊重し合える関係を、他の人にも伝わるような形で表現する。

IPS  Intentional Peer Support
一人一人に力があり、それぞれの人に価値があることを信じていて、尊重し合える関係を目指しているものと考えられる。


IPSの取り組みで関係していることとそれに対する思い:

  • 研修会、勉強会
IPSの提唱者による研修を行い、国内で関心のある人に紹介したい。尊重し合う関係、お互いに責任を持つ関係について考えたり、自発的な勉強会が各地で生まれたり、体験するきっかけになったらうれしい。

  • 質的研究
実践者にインタビューをして、IPSを経験して何が変化したかを知りたい。自分だけ知るのではなく、多くの関心ある人にも伝えたい。

  • 冊子
IPSの提唱者が作成した資料を翻訳、印刷、販売する。知る人が増えたり、勉強会をより良いものにすることに役立てられたらうれしい。

  • レビュー論文
IPSが生まれた場所である、メンタルヘルス領域のピアサポートについて、過去の研究から学びたい。深く知りたい。人に伝えたい。

  • ウェブサイト
IPSを実践するための実践的な方法や考えを共有し、共に学び研鑽を深めるIPS実践者のコミュニティがウェブ上にもできることで、情報交換をしやすくなり、また、知りたい人が情報に接する手段が増える。

Wednesday, September 28, 2011

参加者とのデータの共有

この研究では、インタビュー(座談会)の録音データとその文字おこしのデータを、参加者の皆様と共有する方針をとっています。が、実際に始めてみると、具体的にどれを誰と共有するのか、迷う状況が出てきました。そこで、参加者と研究者の情報共有の仕方について整理してみます。 

【参加者】該当インタビュー(座談会)の場に参加していた人
【協力者】IPSに関心のある人で、研究のための連絡先を宮本に送って下さった方と研究チーム
【委託業者】守秘義務契約を結んだ委託業者(文字おこしの作業を外部委託しています)


録音データについて
レベル 共有の範囲
公開 ウェブページに公開(誰でもアクセス可能)
限定共有A 参加者、協力者、委託業者
限定共有B 参加者、参加者の許可が得られた協力者、委託業者
非公開 参加者、委託業者


文字おこし後のテキストデータ(個人情報削除済み)について
レベル 共有の範囲
公開 ウェブページに公開(誰でもアクセス可能)
限定共有A 参加者、協力者、委託業者
限定共有B 参加者、参加者の許可が得られた協力者、委託業者
非公開 参加者、委託業者 <インタビューに参加していなかった研究者が分析に関わる場合にはどう考えるか??検討が必要。>

上記のそれぞれについて、参加者全員からご意見を伺い、インタビュー(座談会)ごとに公開のレベルを設定するという方針でいます。


一番最初に行った録音は、共有の範囲を広げることを考えていなかったため、選択肢は特に考えず、その場にいた人の中で共有する(=上の表で言うところの非公開)ということだけ話しました。
しかし、考えてみると、他にも聞いてみたい人などがいた場合や、その場にいなかった研究者が分析に参加するためにデータに触れる可能性についても考えないといけない、と気付き、その後のインタビューでは、ご意見を伺う際に、他の人との共有についても選択肢として挙げると、誰にでも公開というのは抵抗はあるけれども、このような人々であれば共有しても良い、といった意見が多く出てくる印象があります。

研究データというと、研究者が厳重に保管するもの、という先入観があったのですが、ある場で話されたことは、その場に参加していた人みんなの共有のものであり、また、そこにいた人達が聞かれても良いと考える人たちと共有できるというのは自然であり、また素敵なことだなぁと思っています。
これらの共有について考える過程で、研究データや医療データは誰のものなのか、ということについても考えさせられています。

Saturday, April 23, 2011

IPS研究のウェブサイトを更新しました

IPS研究のウェブサイトを下記の通り更新しましたのでご報告いたします。

1.チームの体制

小川雅代(東京大学大学院 医学系研究科 精神看護学分野)

小川雅代(静岡県立大学看護学部精神看護学)


2.本研究の方法

対象
研究参加者:精神保健サービスの援助職者と利用者であるIPS研修参加者を対象とし、除外基準はありません。
対象者として、研究への協力に同意の得られたIPS研修参加者20名程度にご協力をいただきたいと思っています。

研究参加者:精神保健サービスの援助職者と利用者であるIPS研修参加者やIPS勉強会参加者を対象とし、除外基準はありません。
対象者として、研究への協力に同意の得られた方50名程度にご協力をいただきたいと思っています。


3.倫理的配慮

個人情報保護の方法に下記を加筆。

インタビューで録音した音声データは、インタビューに参加した人および研究者が聞くことができるようにします。研究参加者の音声データの聴取方法は、URLを知っている人のみが視聴可能なウェブサイト上にパスワードをかけてアップし、聴取を希望すると研究者に連絡のあった参加者に、研究責任者の宮本有紀からウェブサイトのURLとパスワードを伝えるという方法により部外者への漏洩から保護します。


4.各種資料のダウンロード

「調査の説明書と同意書と同意撤回書」を追加。


5.「備考
のページを追加し、下記の加筆。

○研究経費の出所:
この研究の経費は、
第41回(平成22年度)三菱財団社会福祉事業・研究助成 (H22.10 ~H23.9)および文部科学省科学研究費補助金若手研究(A) (H22~H24)から支出します。
○企業等からの資金・装置等供与はありません。
○研究参加者に支払う謝礼:
グループインタビューでは一回あたりお一人2000円相当とする予定です。



シロシベさん、迅速な対応ありがとうございます。

Wednesday, November 24, 2010

研究助成を受けました

このたび、Intentional Peer Support(IPS) をもっと知るための研究に関連して、
公益財団法人 三菱財団の平成22年度社会福祉事業・研究助成をいただくことになりました(課題名:日本版IPS(Intentional Peer Support)の開発と評価-サービス利用者と援助者の新たな関係-)。

また、同じくこの研究に関連して、
文部科学省の平成22年度科学研究費補助金 若手研究(A)の追加採択の通知をこの秋いただきました(課題名:サービス利用者-援助者間関係の変革と協働のための技法研修プログラムの開発)。

このIPSに関する活動は、助成を受けることができなかったとしても取り組むつもりでいたものではありますが、助成を受けることができたことは大変うれしく有り難く、これらの助成を最大限有効・有用に使わせていただき、期待に反しないよう、真摯に取り組んでいきたいと思います。

本研究の趣旨をご理解いただけたこと、大変ありがたく思っております。
そして本活動にご協力いただく皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。