Monday, December 19, 2011

クライシス状況におけるIPSの研修報告

クライシスの状況におけるIntentional Peer Support (IPS) の研修(2011年12月9日~11日)に参加しました。

研修会に対する自分の感想や研修で取り扱われた内容がごちゃまぜになっていますが、自分のツイートの引用で報告させていただきます。













自分のツイートの引用はいつも以上にまとまっていなくて恥ずかしい気もしますが、でも、その時その時に感じたことをつぶやいていたんだなぁ、と考えると、これはこれで良いことにします。

Shery Meadさん、久野恵理さん、参加された皆様、どうもありがとうございました。

Friday, December 2, 2011

医療人類学

医療人類学のメモのさらに続き。

「Biomedicine(バイオメディスン)はメディカルシステム(医学体系)のひとつに過ぎない。」

現在の日本では西洋医学(あるいはバイオメディスン)が科学的なものとして捉えられており、学生の頃は、特に疑うことなくそれが最善のもの、最先端のものとして学んできたけれど、医療について考えさせられている今、医療人類学の講義での上記の言葉に納得しました。
健康や病、身体に対する見方考え方が異なれば医療観も異なると思われます。
これは、文化によっても異なるでしょうし、時代によっても異なるでしょうし、個々人によっても異なると思われます。

科学的とはいったいどういうことなのか、自分が信じているもの、世間が信じているものがいつも誰にとっても最善とは限らないことに気づいていることは大事だと思いました。

Thursday, December 1, 2011

人類学

人類学メモの続きです。

前回の記事を読んでくださった方から、「参加型リサーチというのがあまりよくわからない」とコメントをいただきました。私もまだわかっているとは言い難いです。

ただ、その要素の一つは、関係する人々は、研究の対象ではなくて、研究に参加する人だ、という考え方なのかな、とぼんやりと思っています。

研究に参加する、といっても、いろいろな参加の形があって、 

  • 情報を提供するという形の参加 
  • 情報を提供する人から情報を収集する役割(インタビュアー)としての参加 
  • 情報を提供するグループ(フォーカスグループ)のファシリテーターとしての参加 
  • データ分析や結果の解釈をする際の助言者としての参加
  • 方針を決定する権限を有する者としての参加 

などがあります(Wallerstein & Duran, 2003)。

このため、あるものごと(文化や集団、考え方など)についてさらに深く知るために、そのものごとに関係している人に参加してもらう、と言っても、いろいろな参加の度合いがあり、参加型リサーチもいろいろな形となるのだろうと思っています。

また、前回の記事を読んでくださった別の方から、
「支援者と非支援者の間で真のパートナーシップは生じ得るのか、
なんてことを話しあっているコミュニティと研究者の間で、
真のパートナーシップは生じ得るのか? という議論、
人類学とIPS似てますね」とコメントいただきました。

私もそう思っていたところです! 


人類学の中に、Linguisic Anthropology というものがあり(言語人類学と言うのでしょうか)、ここでは、例えば関心を持っている文化や考え方、世界観について知る際に、通訳・翻訳に頼るのではなく、そこで使われている言葉を知ることを重視している、と私は理解しました。

言葉というのは、そこで大事にされているものごとが現れていると思います。
大事である、あるいは意味があると思うから話したりコミュニケートしようと思うわけで、そう思う人々の間には、それを指し示す言葉が存在しやすいのではないかと思います。それらの言葉を知ることで、その人たちが大事にしていることにも近づきやすくなるのではないかと思いました。 

人類学のはとても深くて幅広いものなのだろうと思いますが、ものごとの背景あるいは文脈を知る、人々の考え方や世界観を知る、など、IPSのことを思い出さずにいられないキーワードがたくさんありました。

Wallerstein, N. Duran, B. The conceptual, historical and practice roots of community based participatory  research and related participatory traditions. In  Community Based Participatory Research for Health. Minkler, M. Wallterstein N. eds, CA: Jossey-bass, 2003, pp. 27-52.

Friday, November 25, 2011

参加型リサーチ

医療人類学(Medical anthropology)についての講義に参加する機会がありました。本当にいろいろな学びがあり、また、もやもやと思っていたことが整理された部分もあり、このような機会と、関係する皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

学んだことは多々ありつつも、まずは、参加型リサーチ(Participatory Research)について。

参加型リサーチにおいて、コミュニティ(ここでは研究対象となるコミュニティ)と研究者の間で、真のパートナーシップ(genuine partnership)は生じ得るのか?という議論がされているそうです。真の対等な関係は可能だと考える人もいれば、真のパートナーシップを築くために、研究者は研究機関の職を辞してそのコミュニティに入れ、という主張もあるのだそうです。

いずれにせよ、どのような関係にも、力の関係(Power relations)はあるということは大前提となっています。

どのようなコミュニティなのかにもよるのだろうとは思いますが、私自身は、真のパートナーシップを築くことは簡単ではないと思っています。このため、職を辞してそのコミュニティに飛び込む人がいることも不思議ではないと感じます。ですが、職を辞すというよりは、研究者という職業についていること、そこに付随するパワーを意識しながらコミュニティに参加していく、ということが今の自分がしたいと思っている形なのかな、と考えていました。

また、比較的最近の考え方として、Reflexive anthropology(再帰的人類学?)といって、研究者がその研究の中での自身の立場やパワーについて考える、ということの重要性についても教わりました。

研究者とコミュニティとの関係だけでなく、どのような関係にも、パワーは存在すると思います。
それらの関係の中で、パワーを全くないものにすることはとても難しいことだと思いますが、そのパワーの存在を認識したり、パワーが生じている背景にはどのようなことがあるのかを考えたり、そのパワーについて話し合ったりすることはとても重要なことだと感じています。



以下、コミュニティの参加型リサーチ(Community Based Participatory Research: CBPR)に関するメモ。

コミュニティの参加型リサーチには、次の二つの伝統があるそうです。
  • 社会のシステムを向上させる (Improvement of social system)という流れ<Northern traditionとも呼ばれる>
  • 解放する(Emancipation)という流れ<Southern traditionとも呼ばれる>

このSouthern traditionに関連して、ブラジルの哲学者、Paulo Freireパウロ・フレイレ)の名前は覚えておくと良いとのことでした。


テキスト:
Wallerstein, N. Duran, B. The conceptual, historical and practice roots of community based participatory  research and related participatory traditions. In  Community Based Participatory Research for Health. Minkler, M. Wallterstein N. eds, CA: Jossey-bass, 2003, pp. 27-52.

Tuesday, November 22, 2011

IPSの取り組みの進捗20111122

--------------------------------------------------------------

IPS進捗メモ 2011年11月22日 
--------------------------------------------------------------
■勉強会・ワークブックなどについて
  • 「IPSを考える(アイピーエスヲカンガエル)」の口座がついにできた。ワークブックのやりとり等に。

  • 12月のクライシス状況でのIPSに関する研修、2月に計画中の研修などもろもろ準備中。

--------------------------------------------------------------

Tuesday, November 15, 2011

セルフヘルプ

2011年11月1日(178号)のビッグイシュー日本版に「セルフヘルプ:社会を回復する力」という素敵な特集が!
と思って、写真↓を撮ったりしていたら、






ちゃんと、ビッグイシューのウェブサイトにもっと見やすい情報がありました。


















この号では、セルフヘルプ特集ということで、5つの「セルフヘルプ・グループ(自助グループ)」を取材しています。

また、岩田泰夫さんに、「セルフヘルプとは何か?」について聞いていて、見出しはこの言葉でした。
自分の体験に支配されるのか、
それとも支配するのか。
仲間とともに生きる。
その行き方こそがセルフヘルプ

岩田さんは、
自分ではなく誰かのためにとなると、それは上下関係となり、関係はいずれ崩れてしまう。(p.14)
とも語っていて、共感を覚えました。Intentional Peer Supportで話される「助ける・助けられるの関係」のことも思い起こされました。

このほかに、「吃音(どもり)」「男性介護者」「DV被害の当事者の人たち」「ギャンブル依存症者の家族・友人」「子どもを亡くした親」のセルフヘルプグループが掲載されています。
岩田さんの記事に関しては、ビッグイシューのバックナンバーのページ http://www.bigissue.jp/backnumber/bn178.html から拡大画像で読めるようになっています。

Sunday, November 13, 2011

IPS感想

Intentional Peer Support (IPS)を学んでいらっしゃるクロコさんからIPSから学んだことなどについて、ここで紹介しても良いメッセージをいただきました!

クロコさん、ありがとうございます。思ったことや感じたことを共有していただけること、本当にうれしくありがたく、感謝です。以下に紹介させていただきます。

『IPSから学んだこと』
私は小さい頃から、人の役に立ちたいという思いが強かった。どうすれば人の役に立てるのかが、わからなかったので「支援」という仕事を選んでするようになった。やってほしいと言われたことを代わりにすることは容易にできたが、すべての要求をのむことが人の役に立つとは思えなかった。必要な時に何かを肩代わりし続けることが、人の役に立つとは思えなかったが、他の方法を知らなかった。
IPSを学んで、お互いに成長できる関係を作っていけるということを知った。一方的な助けを続けていると、関係が成長することに辿りつかない。ただ「受け止める」ことを意識して、会話をしていくこと。すべてを受け入れるのとは違うし、自分の要求だけを伝えるのでもない。自分の意識を変えることで、お互いにつながりを感じられる関係に向かえることを知った。

全てを受け入れる事や、事柄をすぐに解決しようとする会話は簡単にできてしまい、そういう会話を続けていると関係が成長しないどころか、会話をしたいという気持ちも起こらなくなってくる。誰かの手助けをしたいと思ったとしても、会話をする気も起きない相手の手助けをするのは難しいが、受け入れるわけではなく、ただ受け止めることで、会話を続けていこうという気持ちが出てきて、結果的には相手の役に立つかもしれないし、自分の役にも立つかもしれないと思うようになってきた。

 「人の役に立っている」という考えも、一人で考えて行動してしまえば一人だけの思い込みになってしまう時もあるし、一方通行の助けは、結局人の役に立っていなかったかもしれないと思った。会話を通して、お互いの気持ちが触れ合うと、自分一人ではないという安心感が生まれたり、心がふっと軽くなったり、温かい気持ちが湧き出てくることもある。その先の会話がどう展開していくかは、人間の可能性の分だけ答えがあるように思う。
自分を労わりながら「受け止める」ということが出来るのだろうか、ということを考えていた。イライラをぶつけてくる相手からの言葉を聞きいれて受けとめることは、暴力を許すことになるのではないか、暴言を吐いても大丈夫な相手と思われるのではないか、そしたら嫌だという気持ちが働いていたので、怒りを向けられた時に怒りで返す、やられたらやり返すということをしていた。IPSに繰り返し触れるうちに、言葉の暴力を受け入れるわけでもなく、気持ちだけを受け止めるということができるのではないかと思うようになった。相手を受け止めるには、まず自分の気持ちの変化を敏感に感じて自分を偽らないことが先で、そうすれば、自分からつながりを切りたいという気持ちが消えて、つながりを持ちたいという気持ちが芽生えて、心の底から相手の言葉に耳を傾けることができるのだろうと思った。しかし、自分がすごく怖いと感じる時には、いつにも増して自分の気持ちを察知するのが難しい。つながりを切りたくない、つながりを作っていきたいと自分が心から思える為に、自分が必要としていることを相手に伝えるという事もすごく難しいと感じている。今後も学んでいきたい。


『意識の変化で行動が変わったと思ったこと』
怒りを露骨に出されると、私は、自分に怒りが向けられているかのように思ってしまう。例えば、ふざけてテーブルの上に乗って大声を張り上げながらおやつを食べる子どもがいた時に、私は自分がバカにされていると感じてしまい、少し離れた所から「静かに食べなさい」と声を荒げていた。相手が大きい声を出すので、それ以上大きい声を出さないと声が届かないと思っていた。だが、そうすると、子どもはもっと大きい声を出す。「うるせえ、ばばあ」と言いながらふざける。私は「もう小学3年生なのに、幼稚園児みたいだね」と、もっとひどいことを言ってしまう。そういう会話を重ねながら、私はイライラしながら、子どもがおやつを食べ終わるのを待たなければならなかった。怒りを怒りで返していたと思う。

その言動を変えてみることができた。ある日、子どもが大きい声で騒いだ時に、その子どもの近くに行って「テーブルから降りて、静かに食べて」と、静かな声で伝えてみた。何度騒いでも、そのたびに近くに行って「静かに食べて」と静かに伝えた。そうすると、子どもが何人か集まって騒いでいても、私が近づくと一瞬静かになって、その日は、私は声を荒げなくても会話ができた。子どもが私の言うことをすべて聞き入れるわけではないが、更に大きな声で話し出すということはなくなったので、私は自分の話がしやすくなった。「汚した所は自分で拭いてね」と静かに言って、台ふきを渡すと、騒いでいた子どもが「ここは僕が汚してない。こっちをこぼしたのは○○君が笑わせたから。」と、聞いてもいないのに汚した弁解をし始めたりしていた。私はイライラを全く感じずに会話を楽しんでいた。今までのように「うるせえ、ばばあ」とは言われなかった。怒りを怒りで返さずに、自分が必要なことを相手の近くで静かに話すということをしてみただけで、会話の展開が変わったように思う。

怒りが自分に向けられて怖いと感じた時には、これが続くと嫌だという気持ちや、そういう大人になったら自分の対応が悪いと言われるのではないかという恐れや、なめられているのではないかという推測や、いろいろなことを思っていた。その怒りが必ずしも自分に向いていないということを考えられたら、その瞬間から自分の態度や発する言葉を変えることができると思った。今後も意識を少しだけ変えてみる練習をしていきたいと思っている。関係が変わらないと会話も変わらないと思っていたが、会話が変わることで関係も変わっていくことを感じ始めた。

Saturday, November 12, 2011

IPS米国研修 ブログのご紹介

今日は、IPS米国研修(2011年10月)で学んだ内容を紹介していらっしゃるブログ、「クロネコクロコの足あと」をご紹介させていただきます。

このブログ内でも「IPSの学びの場を作るための研修報告」として報告しましたが、クロネコクロコさんのところの、「インテンショナルピアサポート(IPS)研修内容」は、1日目から5日目まで、毎日どのようなことを学んでいたかを順に書いてあります!

実は本日は、IPSの市川の勉強会(各地の勉強会についてはコチラ)の後に、米国での研修に参加した人たちと参加しなかった方達でどんな研修だったかを共有し、それに関連してたくさんお話ししてきたのでした。あんなに印象的だったと思っていた研修でも、3週間前のこととなると、残念なことに忘れてしまっていることも多かったのですが、会場でネットにつなぎ、クロネコクロコさんに内容を読み上げてもらうことで、そうだったそうだった、と話が広がっていきました。このようにちゃんと書いて残してあると思い出しやすく、記録って大事だ!と思った次第です。

今日はクロネコクロコさんのブログのおかげで、振り返りもしやすかったです!
そして、一緒に学び、いろいろな話をできる仲間がいて、多様な考え方をそれぞれ差し出すことができる場があって、幸せだなぁ、と思った一日でした。どうもありがとうございました。

Thursday, November 3, 2011

シャーマズ 「グラウンデッド・セオリーの構築」

Kathy Charmaz (キャシー・シャーマズ)著 「グラウンデッド・セオリーの構築:社会構成主義からの挑戦 (原題 Constructing Grounded Theory: A practical guide through qualitative analysis)」を読んでいます。

Sue Estroffさんをはじめ、いろいろな方から勧められ、友人達と一緒に読み始めました。字がぎっしりと書いてある本を読むのが得意ではなく、また、聞いたことのない単語(日本語ですが。。)がたくさん出てくるため、まだまだ学び始めたばかりの私にとっては、すいすいと読み進むことができるとは言えない本です。

まだ読破はできていませんが、とても勉強になっています。また、Charmazさんの考え方には共感できるところが多く、研究に対する考え方についても気付かせてもらうことが多いです。

Intentional Peer Support (IPS)をもっと知るための取り組みについて考え続ける日々ですが、自分は研究者としてというよりも、IPSをもっと知りたい、IPSに取り組んでいる人といろいろなことを共有し、学び合いたいという思いでこの取り組みをやっているんだな、と感じています。それと同時に研究としても取り組んでいるわけで、自分の生きる上での学びと研究を自分の中では切り離せないことを認識しつつあります。

そのようなことをごにょごにょと考えているときに下記を読んで、少し納得できたところがありました。

 「私は、この本の全編を通じて、グラウンデッド・セオリー法を使うことや理論化を行うことを、研究者が特定の場所や時間において他者と協力して営む社会的行為(social actions)として扱ってきました。研究参加者に加え、他の研究者・教師・学生・機関内委員会・そして無数の人々が私たちの心の中で生きており、彼らとの直接の接触から長い年月を経てもなお、私たちが研究をどのようにして行うのかに影響を与えています。私たちはデータと相互作用し、それに関する理論を創造します。しかし私たちは、社会的真空の中で存在しているのではないのです。」p.139

研究者は、何かに影響を与えてはいけないのではないか、中立的に関わらなければいけないのではないか、という考えも自分の中には絶えずあるのですが、このように、研究参加者やその現実から自身を隔て距離を保ち、客観的な立場で観察を行おうとする考え方は「客観主義的アプローチ」であることを学びました。

これに対して、「構成主義的アプローチ」は、「簡単には変わらないが常に変化している世界を前提とし、さまざまなローカルの世界と多様な現実を認識し、そのローカルな世界とより大きな世界にいかに人々の行為が影響を与えているのかに焦点を当てています」(p.142)。そして、「データと分析はともに研究参加者やその他のデータ源と共有された経験や関係によってつくられるものと考え」る(p.140)のだそうです。

この、客観主義的アプローチと構成主義的アプローチに関する理解がこれで正しいのか、ちょっと自信がない部分もありますが、私が取り組みたいと思っていることや、そもそもIPSそのものが、構成主義的アプローチなのではないか、と感じました。

Thursday, October 27, 2011

IPSの学びの場を作るための研修報告

Intentional Peer Support (IPS) の学びの場を作るための研修 in New Hampshire (2011年10月16日~20日)に参加して参りました。
(実際には、研修会場はNew Hampshire州との境に近い、Vermont州でした)。

研修内容の一部を紹介しますと、

  • 居心地の悪さと一緒にいるための合意(Discomfort Agreement)について
  • 「ピア」の意味するところ、権利擁護運動とIPSの関係
  • 共同スーパービジョン(Co-supervision)とは何か、どんな風にするのか
  • ロールプレイ練習:問題解決に走りやすい状況
  • IPS集中研修で行う演習のねらいについて
  • ロールプレイ練習:相互性-衝突のある場面
  • 相互の責任:安心・安全について再定義する
  • IPSの勉強会について

などがありました。

参加された皆さんの了承を得まして、研修の雰囲気の一部をご紹介します!







とても楽しく、学びの多い研修でした。
Eriさん、Sheryさん、Chrisさんに大変お世話になりました。
また、一緒に学んだ仲間の皆さん、研修に関わった全ての方に、感謝します。
ありがとうございました。
今後ともどうぞよろしく御願いいたします。

Wednesday, October 12, 2011

IPSをもっと知るための取り組みで目指すこと

目指すもの
あらゆる人がそれぞれにユニークな(かけがえのない)価値を持つことに気づき、
互いに尊重し合う関係があふれる世の中にする。

そのために行うこと
A. ユニークな価値に気づき、尊重し合える関係を、体験する。
B. ユニークな価値とは何なのか、互いに尊重し合う関係とは何なのか、知る。
C. ユニークな価値と尊重し合える関係を、他の人にも伝わるような形で表現する。

IPS  Intentional Peer Support
一人一人に力があり、それぞれの人に価値があることを信じていて、尊重し合える関係を目指しているものと考えられる。


IPSの取り組みで関係していることとそれに対する思い:

  • 研修会、勉強会
IPSの提唱者による研修を行い、国内で関心のある人に紹介したい。尊重し合う関係、お互いに責任を持つ関係について考えたり、自発的な勉強会が各地で生まれたり、体験するきっかけになったらうれしい。

  • 質的研究
実践者にインタビューをして、IPSを経験して何が変化したかを知りたい。自分だけ知るのではなく、多くの関心ある人にも伝えたい。

  • 冊子
IPSの提唱者が作成した資料を翻訳、印刷、販売する。知る人が増えたり、勉強会をより良いものにすることに役立てられたらうれしい。

  • レビュー論文
IPSが生まれた場所である、メンタルヘルス領域のピアサポートについて、過去の研究から学びたい。深く知りたい。人に伝えたい。

  • ウェブサイト
IPSを実践するための実践的な方法や考えを共有し、共に学び研鑽を深めるIPS実践者のコミュニティがウェブ上にもできることで、情報交換をしやすくなり、また、知りたい人が情報に接する手段が増える。

ワークブック 印刷メモ

意図的なピアサポート:代替的アプローチ   シェリー・ミード
Intentional Peer Support: Alternative Approach  Shery Mead

ワークブック 分冊版 印刷メモ

仕上がりサイズ:A5

製本加工方法:中綴じ ホチキス2箇所

用紙: 表紙 上質135kg 白、 本文 上質55kg

表紙印刷:表1、表4 カラー
本文印刷:両面 モノクロ

Wednesday, September 28, 2011

参加者とのデータの共有

この研究では、インタビュー(座談会)の録音データとその文字おこしのデータを、参加者の皆様と共有する方針をとっています。が、実際に始めてみると、具体的にどれを誰と共有するのか、迷う状況が出てきました。そこで、参加者と研究者の情報共有の仕方について整理してみます。 

【参加者】該当インタビュー(座談会)の場に参加していた人
【協力者】IPSに関心のある人で、研究のための連絡先を宮本に送って下さった方と研究チーム
【委託業者】守秘義務契約を結んだ委託業者(文字おこしの作業を外部委託しています)


録音データについて
レベル 共有の範囲
公開 ウェブページに公開(誰でもアクセス可能)
限定共有A 参加者、協力者、委託業者
限定共有B 参加者、参加者の許可が得られた協力者、委託業者
非公開 参加者、委託業者


文字おこし後のテキストデータ(個人情報削除済み)について
レベル 共有の範囲
公開 ウェブページに公開(誰でもアクセス可能)
限定共有A 参加者、協力者、委託業者
限定共有B 参加者、参加者の許可が得られた協力者、委託業者
非公開 参加者、委託業者 <インタビューに参加していなかった研究者が分析に関わる場合にはどう考えるか??検討が必要。>

上記のそれぞれについて、参加者全員からご意見を伺い、インタビュー(座談会)ごとに公開のレベルを設定するという方針でいます。


一番最初に行った録音は、共有の範囲を広げることを考えていなかったため、選択肢は特に考えず、その場にいた人の中で共有する(=上の表で言うところの非公開)ということだけ話しました。
しかし、考えてみると、他にも聞いてみたい人などがいた場合や、その場にいなかった研究者が分析に参加するためにデータに触れる可能性についても考えないといけない、と気付き、その後のインタビューでは、ご意見を伺う際に、他の人との共有についても選択肢として挙げると、誰にでも公開というのは抵抗はあるけれども、このような人々であれば共有しても良い、といった意見が多く出てくる印象があります。

研究データというと、研究者が厳重に保管するもの、という先入観があったのですが、ある場で話されたことは、その場に参加していた人みんなの共有のものであり、また、そこにいた人達が聞かれても良いと考える人たちと共有できるというのは自然であり、また素敵なことだなぁと思っています。
これらの共有について考える過程で、研究データや医療データは誰のものなのか、ということについても考えさせられています。

Thursday, September 22, 2011

IPSの取り組みの進捗20110922

--------------------------------------------------------------
IPS進捗メモ 2011年9月22日 
--------------------------------------------------------------
■調査について
インタビューと呼ぶか、座談会と呼ぶか、今後もっと考える必要あり。

■勉強会などについて
IPSカレンダーに情報蓄積中。http://intentionalpeersupport.jp/calendar/

■研究ブログについて
IPSについて考えたことをこのブログに書いてしまうと、次のインタビューに行くときに、相手の人が、その内容に影響されちゃうかな、という葛藤がある。しかしながら、非公開にした場合でも、これまでのインタビューの内容が次のインタビューに影響を与えていることには変わりない。影響を一人で受けてるか、みんなで受けてるか、の違いだけなのでは、という気もする。

■ワークブックについて
ワークブックの販売方法考える。
--------------------------------------------------------------

Tuesday, September 13, 2011

IPSの取り組みの進捗20110913

あまり進んでないけど、メモ。
--------------------------------------------------------------
IPS進捗メモ 2011年9月13日
--------------------------------------------------------------
■調査について
少し分析を進めてからまた秋に調査へ。

■勉強会などについて
東京は9月はなし。

■ウェブ・サイトについて
「仮オープン」をはずす。

--------------------------------------------------------------

Thursday, September 1, 2011

IPSの冊子を読んで感じたこと

Intentional Peer Support (IPS)のワークブック*を読まれた、たけちゃん(たけちゃんのブログはこちらからメッセージをいただきました。

皆様が、IPSに触れた感じられたこと、気づかれたこと、共有できるのはとても有り難く、うれしいです。 どうもありがとうございます!

個人的なメッセージの部分を一部省略の上、ご本人の許可を得てここに記させていただきます。( )内は宮本の註です。

(前略)
小冊子(←IPSのワークブックです。末尾に註*)を1・2巻だけざっと目を通してみました。感想はIPSは広い意味で教育の一環なのではないかということです。作者は精神医学のカテゴリーで相手をとらえることを禁止していますが、これは「ものぐさ数学のすすめ」で有名な森毅・元京大教授の「落ちこぼれと決めつけていたら教育などできへん」というセリフと同じだと思いました。「落ちこぼれ」を「精神障碍者」と変換すればそのままですものね。(中略)教育は全人格的な交わりです。特に若い人は肩書きだけの人物かすぐに見破ります。講義をすることは教授する人の「世界観」を学生さんに伝授することではなく、学生さんの「世界観」に基づく恣意的解釈に身を委ねる、「命がけの飛躍」を伴う弱い立場に身を置くことです。そうした弱い立場に身をさらすことに耐えられない人々が「権威」という「ソフトパワー」をちらつかして現実を倒錯的に扱おうとするのですが、若い学生さんは本能的にそれを見破るのです。文化人類学者山口昌男氏の「教育とは壊すか壊されるかの怖い営みだ」という言葉もそのことを指していると思います。
(中略)

IPSの小冊子を読んで気づいたことをもう一つ書かせてください。作者はより良き人生を生きるためにこうありたい自分に向かって前向きに努力することを求めていますが、これはキリスト教の位階秩序を一つ一つ上に上ることの焼き直しに思えます。日本では「方丈記」や「平家物語」から連なる「無常」をめぐる議論の蓄積があり、「ただ生きる」ことを肯定する思想があります。この思想を突き詰めていくと「生きているのも死んでいるのも同じこと」という命題にたどり着くのですが、流石にアメリカ社会の「周縁」に位置するIPSの創始者にしても文化的差異が大きく、IPSの枠組みの中でとらえられなかったよう思います。ここがIPSの限界であり、やはり日本という文脈に引き直した自前の回復プログラムを用意する必要性を感じます。
(後略)

*IPSのワークブックの原文(英語版)は、Peer Support: an Alternative Approachで、Shery Mead(シェリー・ミード)さんのウェブサイトから購入可能です。
http://www.mentalhealthpeers.com/index.html
このワークブックの日本語版は、現在IPSの研修会や勉強会で販売しています。

Tuesday, August 30, 2011

IPSの取り組みの進捗20110830

IPSの取り組み(含、質的研究)の進捗メモを少しずつ書いていこうと思います。
--------------------------------------------------------------
IPS進捗メモ 2011年8月30日
--------------------------------------------------------------

■調査について
実施中。共有の範囲確認中。

■勉強会などについて
勉強会に関する公開共有Calendarを作る。

■レビュー論文について
このところ停滞中。

■ウェブ・サイトについて
参加型ウェブ・サイト作成中。9月のグランドオープンを目指す。

--------------------------------------------------------------

Tuesday, August 2, 2011

IPS研修会(札幌)

2011年7月22日~24日、札幌でIPS(Intentional Peer Support)研修会が開催されました。


  • IPSの起源・IPSの向かうところ
  • 居心地の悪さのための合意
  • マインドフルネス
  • 会話の仕組み
  • 人と人との間のスペース
  • つながり
  • 先入観、価値観、社会通念や社会規範についての知識が会話に与える影響
  • 家のたとえ
  • 暴力・虐待の影響を受けた世界観
  • 相互性 (相互性の妨げになるもの:上下関係・権威的な力の行使、恐れ、衝突)
これらについて、聴き方の練習や話し合いなどの小グループ演習を交えながら3日間学びました。



安心して学ぶことのできる場であると感じた研修会でした。

参加者の皆様、事務局としてさまざまなことをたくさん整えてくださった大川様、本当にありがとうございました。

Saturday, July 23, 2011

IPS研修会 ブログのご紹介


今日は、IPS研修会の様子を紹介してらっしゃる阪井さんのブログ記事「にぎやかだ!私」をご紹介させていただきます。

詳細はぜひ、このあたたかいブログをご覧いただければと思います。写真入りで、研修会の雰囲気も伝わってきます。

個人的に強く印象に残ったところを引用させていただきます。

自分以外の人は全て、
自分と違う価値観を持ち、違う言語を使い、
違う思考を持つ。
そんな未知との遭遇みたいな人と、、
円滑につながりを関係を保っていこうとするなら、
コミュニケーションの主役は「対話」だろうと思います。


対話で、
自分の個性や主張を失うことなく、また強要することなく、
たがいの相違を認めあい、かつ関係(理解)を深めていく。
それには、
ある程度、練習なり、自分の癖なりに気がつく必要があると思いました!!
「IPS」の全文を読む

感じたことを、ご自分の言葉で語られるのは、なんてパワフルなんだ、と感動しました。
とても素敵です。

阪井さん、ここで紹介させていただくことをご快諾くださってありがとうございます!
研修会での呼ばれたい名前で書かせていただくかどうか迷ったのですが、
ブログに記載されているお名前で紹介させていただきました。

Monday, July 11, 2011

IPSを学んだ方より:IPSで変わったこと

Intentional Peer Support (IPS) の研修会に参加された方が、IPSで変わったことについて書いてくださいました。

皆様のメッセージを共有できるのはとても有り難く、うれしいです。 どうもありがとうございます!
IPSを学んでどのように感じているかを知ることで、とても気付かされることがたくさんあります。本当にありがとうございます。

ご本人の許可を得て、ここに記させていただきます。

「IPSで変わったこと」

IPSを知って変わったのか自分の中で何かが変わったのかはわからないが、自分の中の何かが壊れて新しい何かが作られてきてると最近思う。

IPSを知った時、IPSみたいな会話をしてと思いながら、会話をしていたら、ちぐはぐな会話になっていった。IPSを意識すればするほどちぐはぐになり、自分は何をしてるんだ、と思う日々が長く続いた。今もIPSがわかった訳じゃないし、ますます混沌としてるのだけど、最近、人との会話で距離を保つことができるようになってきた。相手の気持ちに思いを馳せれる自分がいる。相手の気持ちになって、(なってないかもしれないけど…)一歩引いて話を聞ける自分がいる。そして、相手の気持ちを汲み取っているというか。

友達でいつも私はダメだから、Aちゃんみたいに頑張れないと言っていつも途中で投げ出してた友達が、「作業所に行けなくなったけど、また行きたいと思うけど…やっぱり無理かもしれん」って電話があった時、前なら頑張って作業所いかなあかんと励ましてたのに、その話を聞いて、私が言ったのは、「頑張ってたんやね。前は諦めてたのに、頑張ってるやん」って。自然に出た言葉だった。

違う友達と話してた時は、友達の友達の話になって、仕事を引き受け過ぎてしんどいらしいと言う話を聞いて、前ならきっとそんなに頑張らんでいいのになあ~って悪く言ってたと思うけど…その話を聞いて、ふっと自分がその人だったらと自然に考えてた。そしたら、その人は優しくて仕事が断れないのかもしれないと思い、「優しい人なんだね」と言ったら、友達がうれしそうな顔をして、「そうやねん。優しいねん」って、その友達のことを話してくれた。

IPSの言うところの相互性や世界観とは違うのかもしれないけど、今の私は、その人が話してることだけではなく、どうしてこんな話をするのだろうと思いながら、話すようになってきた。質問することが増え、会話が一方通行になることもあるし、質問が的を外れてることもある。でも、前は全くわからなかったスペースを人と持つということがなんとなくわかってきたような気がする。

今まで自分の話ばっかりに熱中して、人のことに思いが全くいってなかった。今も自分の話に熱中してしまうけど、ふと我に返って、人のことに思いがいくようになった。

それがIPSとなんの関係があるかはわからないし、IPSを知ってたから、変わったのかもわからない。でも、前とは違う会話をしてる自分がいて、前とは違う関係を築きたいと思う自分がいる。もっと人のことを知りたいと思うし、人は見えてる部分だけじゃなく、もっと奥深いものだと思う。いろんな思いを持って生きてるのが人間だということ。私にみえてる他人は、その人のごく一部であること。そして、他人がみてる私もごく一部なことをやっと気づいた。

IPSを知って、人との関係が急激に変わったことはなく、確かに、人と深い話をしたら楽しいとは思うようになったけど…それで人との関係が変わったとは思えない。
最近、一人で考えることが多く、人と深い話をしないようにしてる。深い話は面白いとは思うけど…深い話をしたからと言って、その人の言うことが、本当に理解できるのか?逆に私の考えが人にわかるのかと考えたら、結局のところ自分にしかわからないじゃないかと気づいた。深い話が無駄だとは思わないけど…深い話だけで人は成り立ってはいないと最近思う。

人との関係も深いところで繋がろうと思ったら、つまらない話も無駄ではなく、その話の中にその人が見え隠れしてることがあると思う。当たり前なことかもしれないけど、やっとそのことに気づいた。その人が何を大切に思ってるか、何に価値を見いだしてるかは、深い話をしないと見えないのじゃなくて、他愛もない会話の中にもあるんじゃないかと。

天気の話でも、雨の日にご機嫌な人もいる。その時、なんでその人は雨でうっとうしいのにご機嫌なのか?って聞いてみたら、面白い話が出てくる。逆に不機嫌な人になんで不機嫌なのか聞いてみたら、また面白い話が聞ける。

質問するといろんなことに気づく自分がいる。今までいかに人に興味を持って話してなかったかということに気づいた。IPSを学んでるのに、人との会話で、そのことがいかせてなかった。IPSをいかすのは、難しいと思うし、IPSが何かもわからない。でも、人の話してることを受けとめる余裕が少しできてきた。ここがスタートラインなのかもしれない。ここから何かつかめるものがあるのかもしれないと思う。

今まで、IPSとは、当事者同士でしか通じないものという思い込みにとらわれていた。IPSで言われてることは、通常の会話でいくらでも使えることにやっと気づいた。病気を経験してるピアがすることももちろん大切だとは思うけど…その中だけでとどまってまってたら、結局、精神保健の世界を崩すことにはならないんじゃないか、精神保健の世界だけで社会は成り立ってはいないと最近思うようになった。確かに精神保健という社会があって、そこを変革することは必要だと思うけど…それが全てなのか?という疑問が湧き上がってくる。

WRAPやIPSは、いいものだと思うし、いろんな人が知って、精神保健のいがんだ部分が露わになればいいと思う。

でも、最近思うのは、精神保健の世界がいくら変革されようと、そこにいる人が本当に変わらないと意味がないんじゃないかと思う。

友達で、医者が悪い、病院が悪いといい、何回も転院を繰り返し、そのたびに、医者の悪いところを見つけ、言ってくる。最近まで、まともに返事をしてたけど・・・この人に何を言っても無駄だと思うようになった。どんな人も欠点はあるのに、と。

ある人は、よく鬱が襲い、動けなくなる、Aさんは元気でいいね。夢を追いかけていいね、自分も夢があるからそれを目指したいから話を聞いてほしいというけど・・やっぱり鬱で体調がよくないといって、話もできない。

こんな人は、きっといっぱいいると思う。こういう人たちにこそ、WRAPやIPSが必要だと前まで思ってた。でも、WRAPやIPSを知ったところで、何が変わるのかとも思う。関係が変われば、人は変わると思ってた。でも、関係をいくら変えたところで、本人が変わらなきゃ、何も変わらないと思う。人が変わるのは、自分で変わりたいと思って行動に移した時という言葉が頭から離れない。

Sunday, July 10, 2011

戈木 「グラウンデッド・セオリー・アプローチ」

戈木クレイグヒル 滋子(著)「グラウンデッド・セオリー・アプローチ 理論を生み出すまで」を読みました。

この大きさとこの薄さが手に取りやすく、内容もとてもわかりやすい本だと思いました。
まぁ、わかった気分になるのと、実際に分析するのは大きく違うわけですが。。。

この本を読んで、グラウンデッド・セオリー・アプローチについてもっと知りたくなりました。グラウンデッド・セオリー・アプローチを実践したことのない私でも、グラウンデッド・セオリー・アプローチにさまざまなバージョンが存在することは見聞きしておりましたが、それらが具体的にどのように違うのかはわからないままです。いろいろなバージョンの分析をそれぞれ知りたいという気持ちになりました。

内容については、この本を読んでいただくのが一番かと思いますが、ところどころに著者の研究や学習に対する姿勢や思いが書いてあり、そういったことに触れることができるところも読んでいてうれしく思いました。印象的だったところを一つ抜粋。

p.144 完璧なものができるまで発表を見合わせた方がよいという考え方もあるでしょうが、そんなことをしていたら、死ぬまでに論文を発表することさえ覚束なくなってしまいます。最終的によいものにたどり着くためには、後で赤面してしまう可能性があると思っても、一つずつ積み重ねていくことも重要なのではないでしょうか。

Saturday, April 23, 2011

IPS研究のウェブサイトを更新しました

IPS研究のウェブサイトを下記の通り更新しましたのでご報告いたします。

1.チームの体制

小川雅代(東京大学大学院 医学系研究科 精神看護学分野)

小川雅代(静岡県立大学看護学部精神看護学)


2.本研究の方法

対象
研究参加者:精神保健サービスの援助職者と利用者であるIPS研修参加者を対象とし、除外基準はありません。
対象者として、研究への協力に同意の得られたIPS研修参加者20名程度にご協力をいただきたいと思っています。

研究参加者:精神保健サービスの援助職者と利用者であるIPS研修参加者やIPS勉強会参加者を対象とし、除外基準はありません。
対象者として、研究への協力に同意の得られた方50名程度にご協力をいただきたいと思っています。


3.倫理的配慮

個人情報保護の方法に下記を加筆。

インタビューで録音した音声データは、インタビューに参加した人および研究者が聞くことができるようにします。研究参加者の音声データの聴取方法は、URLを知っている人のみが視聴可能なウェブサイト上にパスワードをかけてアップし、聴取を希望すると研究者に連絡のあった参加者に、研究責任者の宮本有紀からウェブサイトのURLとパスワードを伝えるという方法により部外者への漏洩から保護します。


4.各種資料のダウンロード

「調査の説明書と同意書と同意撤回書」を追加。


5.「備考
のページを追加し、下記の加筆。

○研究経費の出所:
この研究の経費は、
第41回(平成22年度)三菱財団社会福祉事業・研究助成 (H22.10 ~H23.9)および文部科学省科学研究費補助金若手研究(A) (H22~H24)から支出します。
○企業等からの資金・装置等供与はありません。
○研究参加者に支払う謝礼:
グループインタビューでは一回あたりお一人2000円相当とする予定です。



シロシベさん、迅速な対応ありがとうございます。

Sunday, April 3, 2011

これから

このたびの震災にあわれました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被害の大きさ、関連して生じた出来事による影響の大きさに驚き、心を痛めております。少しずつでも、できることをしていきたい、し続けたい、と思っております。

Intentional Peer Supportに関する質的研究のツイッターもブログも、震災後、自分自身の動揺もあり、何をどのように発信したら良いかもわからないまま、何も発しないままとなっておりましたが、また少しずつIPSをもっと知るための活動のご報告や考えたことなど、発信をしていきたいと考えております。

2011年3月からIntentional Peer Support (IPS)をもっと知るためのプロジェクトに関連して、各地のIPS勉強会に参加させていただいたり、グループインタビュー(グループディスカッション?)を始めていたところです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

Sunday, February 20, 2011

Intentional Peer Supportの勉強会

Intentional Peer Support (IPS)に関連して全国でどのような活動がなされているかについて継続的に書いていきたいと思いつつ、ブログの更新が滞っておりました。

個人でIntentional Peer Supportを実践していらっしゃる方、実践しようとしていらっしゃる方は日本各地にいらっしゃることと思います。
そして、集まりとしては、私の把握している限りでは、全国のいくつかの地域でIntentional Peer Supportを勉強する会やIntentional Peer Supportに関する集まりが企画・開催され、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、福岡県などでの集まりについてお聞きしております。

それらの会で学ばれている内容や行われている実践について知りたいと思っております。
各地でのご活動について、是非是非教えていただければ幸いです。